TeamFileのページでは、取引先とのファイル交換を自社のサーバーで行う方法と、米国のサービスにデータを預けるときの懸念を紹介しました。
UbiquitiのUniFiでネットワークを組んでいる会社なら、もう一つの選択肢があります。UniFiのNAS(UNASシリーズ)と、そのファイル共有のアプリ「UniFi Drive」です。Ubiquitiは「オフクラウドのストレージ」をうたっていて、ファイルは社内の機器に置いたまま、社外からも使えます。
この記事では、UniFi NASの要点と、データがどこを通るのか、TeamFileとどう使い分けるのかを整理します。2026年11月時点の公式の情報をもとにしています。
UNASは、それ自体がUniFiのコンソール(UniFi OSで動く管理の機器)なので、Cloud GatewayやCloud Keyがなくても単体で動きます。主な機種は次のとおりです。
| 機種 | 形とベイ | ネットワーク | RAID |
|---|---|---|---|
| UNAS 2 | デスクトップ、3.5インチ×2 | 2.5GbE | RAID 1 |
| UNAS 4 | デスクトップ、4ベイ、M.2 NVMe×2 | 2.5GbE | RAID 5、6、10 |
| UNAS Pro 4 | ラック1U、4ベイ、NVMe×2 | 10G SFP+×2 | RAID 5、6、10 |
| UNAS Pro | ラック2U、7ベイ | 10G SFP+×1 | RAID 5、6、10、ホットスペア |
| UNAS Pro 8 | ラック2U、8ベイ、NVMe×2、電源の二重化 | 10G SFP+×2、10GbE | RAID 5、6、10、ホットスペア |
| Enterprise NAS | ラック3U、16ベイ、拡張用ポート | 25G SFP28×2、10GbE | ZFS(RAID-Z1〜Z3) |
日本のUbiquiti ストアで扱っているのは、UNAS 2、UNAS Pro、UNAS Pro 8の3機種です(2026年11月時点)。UNAS Proは税込み約9.3万円、UNAS Pro 8は約14.9万円、UNAS 2は約3.7万円で、ハードディスクは別に用意します。
| 個人と共有のドライブ | ユーザーごとに本人だけが使える個人のドライブが作られ、部署やプロジェクトごとに共有のドライブを作って、使える人を割り当てます。共有のドライブには容量の上限を付けられます。 |
|---|---|
| つなぎ方 | 社内では、WindowsやMacからSMBでふつうのドライブとしてつなぎます。LinuxのNFS、MacのTime Machine、rsyncにも対応しています。 |
| ユーザーの管理 | ユーザーはUniFiの管理画面でまとめて管理します。Active Directoryと連携すれば、ADのIDとパスワードでSMBやDriveの画面に入れます。 |
| 操作の記録 | ファイルやフォルダの操作の記録(File Activity)と、管理者の操作を残すシステムログがあります。 |
| 社員 | UniFi Endpointのアプリ(iOS、Android、Windows、Mac)で、UniFiのIDを使って社外からファイルに触れられます。今のところ、1つのサイトの中での利用に限られます。 |
|---|---|
| 管理者 | UniFiのSite Manager(unifi.ui.com)から、ブラウザでファイルのアップロードとダウンロードができます。 |
| VPN | SMBやNFSは社内のネットワークかVPNで使う前提です。UniFiのゲートウェイがあれば、TeleportやWireGuardのVPNでつなげます。 |
| 社外の人への共有 | ファイルの共有リンクを作れます。管理者はリンクの機能を有効にするか無効にするかを選べ、ゴミ箱に移したファイルのリンクは自動で消されます。 |
IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版は、バックアップの方法の例として、世代管理と物理的な隔離を挙げています(経営者向けの記事で紹介)。UniFi NASでは、次の機能で組み立てます。
| RAIDとホットスペア | ディスクが1台、2台壊れても止まらないRAIDを組みます。UNAS ProとPro 8は、壊れたディスクの代わりに自動で入る予備のディスク(ホットスペア)を置けます。 |
|---|---|
| スナップショット | ドライブごとに、決まった間隔でスナップショットを取り、何世代残すかを決められます。誤って消したり上書きしたりしたファイルを、前の時点に戻せます。 |
| ゴミ箱 | Driveの画面で消したファイルはゴミ箱に入ります。SMBで消したファイルも、共有のドライブごとにゴミ箱に残す設定ができます。 |
| 別の場所へのバックアップ | 別の拠点のUNAS、USBのディスク(UNAS 2と4)、SMBの共有先、Amazon S3やBackblaze B2、Wasabiなどのクラウドに、スケジュールを決めてバックアップできます。Microsoft 365のOneDriveを、UNASにバックアップすることもできます。 |
| 保存時の暗号化 | ストレージプールごとに暗号化できます。鍵をなくすとデータは戻せず、書き込みの速度も下がります(UNAS ProのRAID 5で、毎秒約700MBから約300MBに)。 |
スナップショットは同じ機器の中に残るので、機器ごと壊れたり、ランサムウェアに管理者の権限を奪われたりすると、一緒に失われるおそれがあります。少なくとも1つの世代は、別の拠点のUNASやネットワークから外したUSBのディスクに置きます。
Ubiquitiは、データと設定と管理は手元の機器に残り、クラウドには置かないと説明しています。ただし、Ubiquiti自身も米国の企業です。次の場面では、データがUbiquitiのクラウドを通ったり、置かれたりします。
| 社外からの接続 | Site Managerを使った社外からの接続は、できれば機器と直接つなぎますが、つなげない場合はクラウドの中継に切り替わります。通信は暗号化されています。 |
|---|---|
| UniFi Cloud Storage | Ubiquitiのクラウドへのバックアップのサービスです(1TBあたり月5米ドル)。保存先はBackblazeの米国東部のリージョンで、ほかの地域は予定とされています。 |
| 設定のバックアップ | 機器の設定のバックアップは、UIアカウントのクラウドに保存されます。ファイルの中身ではありません。 |
| UIアカウント | 機器はUIアカウントに結び付けて管理します。UIアカウントでは多要素認証が必須です。 |
ファイルを国外に出さないことを重んじるなら、社外からは自社のVPNでSMBにつなぎ、バックアップは国内の別の拠点のUNASかUSBのディスクにします。Site Managerは機器の管理に使い、ファイルのやり取りには使わない、という分け方が分かりやすい形です。
UniFi NASは社内のファイルサーバーとバックアップの置き場に強く、TeamFileは取引先とのファイル交換に強い製品です。主な違いは次のとおりです。UniFi NASの欄で「確認できない」としたものは、公式の資料で見つからなかった機能です。
| 観点 | UniFi NAS | TeamFile |
|---|---|---|
| 導入 | 機器を買ってディスクを入れ、UniFiの画面で設定する | Linuxのサーバーを用意して導入する |
| 社外の人とのやり取り | 共有リンク | 取引先ごとのアカウントとグループ、アクセスキーと期限付きの公開、取得の通知、受け取り用のBOX(4.0) |
| ウイルスチェック | 確認できない | アップロード時に検査(オプション) |
| ファイルのロック、自動削除 | 確認できない | 排他ロック、グループごとの自動削除 |
| 認証の連携 | UIアカウント、Active Directory | LDAP、SAMLのシングルサインオン |
| バックアップ | スナップショット、別のUNASやクラウドへのバックアップを標準で持つ | サーバーの側でバックアップを組む |
UniFiでネットワークを組んでいる会社なら、社内の保管とバックアップはUniFi NAS、取引先とのファイル交換はTeamFile、と組み合わせる形もあります。
| ファームウェアを最新に | UNASのUniFi OSにも、脆弱性の修正が出ています(2026年6〜7月のセキュリティアドバイザリなど)。ネットワークの機器と同じように、更新を続けます。 |
|---|---|
| 日本語の名前 | macOS 26では、英数字以外の名前(日本語の名前を含む)を使うと、Time Machineのバックアップが失敗する既知の問題があります。 |
| 機種の制約 | UNAS 2、UNAS 4、UNAS Pro 4は、作れるストレージプールとRAIDのグループが1つまでです。用途ごとに分けたい場合は、UNAS ProかPro 8を選びます。 |
当社は、UniFiのネットワークとあわせて、UniFi NASの機種選び、RAIDとスナップショット、別の拠点へのバックアップの設計、VPNでの社外からの接続まで支援しています。取引先とのファイル交換が必要な場合は、TeamFileとの組み合わせもご提案します。