概要

au光のホームゲートウェイ (HGW)配下に UniFi Dream Machine Pro (UDM-Pro)を置き、LAN 側まで IPv6 を通しました。途中で「アドレスは付くのに IPv6 サイトにつながらない」状態にはまりましたが、最終的に test-ipv6.com で 10/10 になりました。その手順と原因をまとめます。

なお、「IPv6にすると速くなる」というのは主にフレッツ回線の話で、フレッツのようなPPPoEの混雑がないau光では、IPv4だけでも体感速度はほとんど変わりません。

今回IPv6を通した主な目的は、速度の改善ではなく、UDM-ProをHGW配下の二重ルーター構成で置いてもIPv6ならNATを挟まずに通信できるようにすることです。

回線は 2026年8月に新規で申し込んだ、次の契約です。

お申込みコースauひかり ホーム ずっとギガ得プラン インターネット
お申込み速度10G
プロバイダau one net

記事中の IPv6 アドレスは、ドキュメント用のプレフィックス (2001:db8::/32)に置き換えています。実際の値は、ご自分の環境に合わせて読み替えてください。

構成

au光 ── HGW(BL4000)── UDM-Pro(WAN)── LAN
項目 例 (マスク済み)
回線 / ISPau光 / au one net (auひかり電話なし)
HGWKDDI BL4000 (192.168.0.1)
UDM-Pro の WAN192.168.0.2 (HGW 配下のため二重ルーターになる)
HGW が受け取るプレフィックス2001:db8:xxxx::/56 (想定)
HGW の LAN 側 /642001:db8:xxxx:1::/64
UDM-Pro の LAN に割り当てる /642001:db8:xxxx:10::/64

はまったポイント

1. UDM-Pro の WAN に IPv6 が付かない

UDM-Pro の WAN を DHCPv6 にしても、付くのはリンクローカルアドレスだけでした。

  • 原因: HGW の DHCPv6 サーバが初期値の「設定1 (RA:プレフィックス配布 / DHCPv6:配布しない)」になっていた。UDM-Pro の DHCPv6 クライアントは、アドレス (IA_NA)の応答がないと先に進まないようです。
  • 対処: HGW を「設定2 (RA:プレフィックス配布 / DHCPv6:配布)」に変更する。
2. アドレスは付いたのに、IPv6 サイトにつながらない

設定2にすると UDM-Pro の WAN と LAN に IPv6 が付きました。ところが、LAN 側の PC で test-ipv6.com を開くと「IPv6 only のサイトへの接続がタイムアウト」と表示されます。

  • 原因: UDM-Pro がプレフィックス委譲 (PD)で受け取った LAN 用の /64 が、HGW 自身の LAN 側 /64 と同じだった。
    • WAN: 2001:db8:xxxx:1::3
    • LAN: 2001:db8:xxxx:1::/64
  • HGW から見ると、この /64 は自分の直下にある範囲です。そのため、戻りのパケットを UDM-Pro に転送せず、自分で相手を探してタイムアウトしていました。
  • UDM-Pro の Prefix Delegation Size を「64」や「Auto」に変えても、重複は解消しませんでした。
3. 解決策: PD をやめて静的ルートにする

BL4000 には「IPv6ルーティング設定」があります。PD に頼らず、UDM-Pro の LAN に空いている /64 を手動で割り当て、HGW にその /64 への経路を書くことで解決しました。

最終設定

HGW (BL4000 クイック設定Web)
  • ホームゲートウェイ詳細設定 → DHCPv6サーバ設定

    • 配布する情報: 設定2[RA:プレフィックス配布 DHCPv6:配布]
  • ホームゲートウェイ詳細設定 → IPv6ルーティング設定 → 新規追加

    • 宛先ネットワーク: 2001:db8:xxxx:10::/64
    • リンクローカルアドレス: UDM-Pro の WAN のリンクローカルアドレス (fe80::…)
    • インタフェース: LAN
    • ゲートウェイには、UDM-Pro の WAN のリンクローカルアドレスを指定します。MAC アドレスから決まるので変わりません。値は UniFi の Devices → UDM-Pro → WAN1 の「IPv6 Link Local」で確認できます。
UDM-Pro (UniFi Network)
  • Settings → Internet → WAN

    • IPv6 Connection: DHCPv6
    • Prefix Delegation Size: Auto (この構成では PD を使わないので影響しない)
  • Settings → Networks → Default → IPv6

    • Interface Type: Static
    • IPv6 Address: 2001:db8:xxxx:10::1 / 64
    • Client Address Assignment: SLAAC (Android は DHCPv6 に非対応のため)
    • Router Advertisement (RA): オン

確認

  1. LAN 側の PC でネットワークをつなぎ直し、…:10:… のアドレスが付くことを確認する
  2. test-ipv6.com で 10/10 になれば完了

運用上の注意

場面 内容
VLAN を追加するときVLAN ごとに未使用の /64 (:11::/64、:12::/64 …)を UDM-Pro 側で Static 設定し、HGW にも同じ宛先のルートを追加する。
プレフィックスが変わったときau光のプレフィックスは基本的に固定ですが、変わったら UDM-Pro の LAN 設定と HGW のルートの 2 か所を書き換える。
UDM-Pro を交換したときWAN のリンクローカルアドレスが変わるので、HGW のルートを書き換える。
使わない /64HGW が使っている :0::/64 と :1::/64 は避ける。
セキュリティLAN 側の端末はグローバル IPv6 アドレスを持ちます。UniFi の既定のファイアウォール (外部からの新規接続をブロック)は緩めないでください。

まとめ

  • au光 HGW 配下の UniFi で IPv6 が来ないときは、まず HGW の DHCPv6 サーバを「設定2」にする。
  • PD で受け取った /64 が HGW の LAN と重複する場合は、HGW の静的ルートと UDM-Pro の LAN の Static 設定で回避できる。

2026年10月21日

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